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同じく同盟国だったドイツではアメリカ軍の長距離四発重爆撃機B17フライングフォートレス(空の要塞)によるドイツ本土爆撃に苦しめられており、ドイツ軍はメッサーシュミットMe262A(ジェット戦闘機)やMe163B(ロケット戦闘機)を実戦投入して対処していました。
日本は戦争になり連絡手段が極めて限られるようになった同盟国ドイツから天然資源、鉱物資源と引き換えにドイツの優れた科学技術(ジェット戦闘機やロケット戦闘機とそれらのエンジン技術)を輸入しようと試みましたが、輸送にあたった潜水艦が連合軍の攻撃で沈められドイツからの技術情報はほんの一部しか手に入りませんでした。
そのほんの一部の技術情報を元にしてほとんど自前で開発したのが三菱のロケット戦闘機「秋水」でした。
ロケット戦闘機というのはこれまた当時でも現在であっても変わり種中の変わり種的な戦闘機だったため失敗する可能性も考慮されていて、失敗した時のその保険として計画されたのが震電でした。
ということで震電は日本本土に来襲するアメリカ軍のB29を撃墜することを主任務として与えられた戦闘機でした。
したがって20mm機銃弾よりも更に弾が大きく重い30mm機銃を4門も機首に集中配置していたのはメインの敵が戦闘機よりも遥かに大きな標的であるアメリカ軍の四発重爆撃機だったからです。
標的である敵が大きく、急機動などをほとんど行えない四発重爆撃機なら命中させ易く、当たれば一発で撃墜確実だったからでした。
B29の場合は最大速度は530km/h程度と零戦などとあまりかわらない速度でしたが、問題点はそれを発揮していたのが高度10000m以上の高空という点にありました。
ここまで高い空まで来ると空気が薄くなり零戦などの従来機では飛んでいるのがやっとの状態であり530km/hの速度で追いかけるなんて無理な相談だったのでした。
参考資料写真を貼りますね。
・現在も三菱で屋内展示されているロケット戦闘機「秋水」
・秋水のベースとなったドイツのメッサーシュミットMe163Bコメート(英語ならコメット、日本語なら彗星)ロケット戦闘機
です。