-
低中高度、低中速度域での格闘戦には小回りが効き無敵を誇った零戦もそれらを生み出す重要要素となった軽量化のつけから最大速度が遅く機体強度が弱いという欠点を抱えていました。
零戦もアメリカ軍に捕獲され詳しい調査を受けた後の太平洋戦争中盤戦以降は最大速度が遅く機体強度が弱く防弾装備らしきものは皆無なことを知られてしまい、そのウィークポイントを突かれ苦戦の連続を強いられました。
太平洋戦争前半戦でいとも簡単に撃墜出来ていたアメリカ軍のカーチスP-40キティーホークやグラマンF4Fワイルドキャットにもてこずる始末。
理由は調査で判明した零戦の弱点を突く戦闘方法をとるようになったからでした。
機体強度が貧弱だった零戦は急降下制限速度も630km/hと低く、これを越えて飛行すれば空中分解してしまうためアメリカ軍戦闘機は零戦の急降下制限速度より速い速度で急降下して逃げる術を身につけていました。
日本側もこの欠点は理解しており零戦も改良が重ねられる度に機体強度の強化が図られ最終的には740.8km/hまで引き上げられましたがアメリカ軍新型戦闘機グラマンF6Fヘルキャットなどの急降下制限速度は840km/h前後と更に高い速度でした。
陸軍の三式戦闘機飛燕の急降下制限速度は速度計を振り切り1000km/hを越えるほどに高いものでした。
三式戦闘機飛燕をエンジンだけ空冷式の金星エンジンに換装して成功した五式戦闘機の急降下制限速度は850km/hまでは問題なくかなり頑丈な機体でした。
個人的にはレアな写真だと思います。
編隊飛行中の陸軍三式戦闘機飛燕Ⅰ型の写真の復刻カラー版です。
飛燕は川崎飛行機製の戦闘機で液冷式エンジン(ドイツのダイムラーベンツ製DB601倒立V型12気筒液冷式エンジンを日本の川崎が国産化したハ40)を搭載した戦闘機で究極の軽戦であった海軍の三菱零戦とは対極に位置する重戦に近い性格も併せ持った中戦とでも呼ぶべき戦闘機でした。(重戦と軽戦の長所を併せ持った戦闘機という意味です。)
先の尖ったスリムな胴体とアスペクト比の高い主翼(縦横比が高く細長く主翼幅の広い翼)が特徴のスマートな戦闘機でした。
エンジンさえ信頼性が高ければ…