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ソ連とアメリカの他にドイツの先進技術を手に入れて自国の戦闘機に結実させた例としてはスエーデンのサーブJ-29トゥンナンとアルゼンチンのプルキー2があります。
プルキー2は第二次大戦時にドイツのフォッケウルフ社でフォッケウルフFw190シリーズを作った設計技師クルト・タンク氏が戦後アルゼンチンに渡り作った後退翼ジェット戦闘機です。それから戦闘機ではなく迷彩服ですが戦後スイス軍は第二次大戦末期にドイツで作られたライバーマイスター迷彩という迷彩を模倣して自国軍の迷彩服に使用していました。
迷彩に使う色としては異例の赤を使用している特異な迷彩でした。
赤外線暗視装置でも技術が進んでいたドイツならではの迷彩でした。
スイス軍が迷彩服を更新した際に市場に出回り日本でもアルペンカモフラージュという名前で売られていた時期もありました。 -
ちなみに現在世界中で使用されているロケット技術の元はドイツの技術。
大陸間弾道ミサイルも巡航ミサイルも移動式ミサイルも元はドイツの技術。
最初に潜水艦からロケット発射を行ったのもドイツでした。
アメリカやソ連の宇宙開発用ロケットを成功させたのも元はドイツの技術。
スペースシャトル計画の元もドイツの技術。
赤外線暗視で敵を発見して攻撃しようというやり方も元はドイツの技術。
現在主流となっているジェットエンジンの形式もドイツが主軸に据えていた軸流式。
(ジェットエンジン誕生時は遠心式ジェットエンジンと軸流式ジェットエンジンに二分されていました)
ちょっとあげただけでもこんなにたくさんあります。
アメリカも第二次大戦終結の際に敗戦国となったドイツから進んだ科学技術と技術者たちを自国に取り込み軍服の生地からロケット技術に至るまで様々な分野の技術の元を得ることに成功しました。
戦後から現在に至るまでに開発された便利な開発品のほとんどはこれらのドイツの技術が元になっていることが非常に多いです。
アメリカのジェット戦闘機の場合はドイツのメッサーシュミット社などの後退翼の技術情報を元にノースアメリカンF86Fセイバーを完成させるのに大いに役立てました。
他にもドイツのメッサーシュミット社が開発していたP1101を手に入れ本国へ持ち帰りベル社にデッドコピーさせて研究してその後可変後退翼機開発の基礎にしました。
第二次大戦終結時点でのドイツの科学技術の進みようときたら半端ではなく矢のような後退翼のジェット戦闘機に空対空ミサイルを装備させたものを実用化させようというところまで来ていました。
ドイツ以外の国ではせいぜい最高時速700km出せるか出せないか程度の直線翼プロペラ戦闘機しか持っていない時代の話ですからその科学技術ときたら世界各国の技術レベルの20年程度は先をいっていたことになります。
この空対空ミサイルはルールシュタールクラマーX-4といい今のようなレーダー技術はまだ確立されていない時代でしたから命中精度を上げるために有線誘導方式をとっていました。
戦後この技術は個人携行用有線誘導ミサイルに活用され世界中に広まりました。
ルールシュタールクラマーX-4の技術を活用したTOWミサイルやHOTミサイルなどは現在でも世界中で使われていて有名です。