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軽量化や空力形状の優秀さや翼端捩り下げの妙技の結果、型にもよりますが離陸滑走距離は179〜200m以内であり着陸速度は119〜138km/hでも失速せずに着陸が出来るという性能でした。空母の狭い飛行甲板上で使用される艦上戦闘機としては極めて優秀でした。
馬力があり高いスピードが出せたため優秀だと評されたアメリカ陸軍のノースアメリカンP51ムスタングはこの使用条件には適合させることが出来ず艦上戦闘機としては失格となりました。
アメリカ海軍のチャンスボートF4Uコルセアも馬力があり高いスピードが出せるとして優秀だと評されていましたが空母の飛行甲板上での運用にはなかなか適合させることが出来ず長い間てこずり後々やっとのことで艦上戦闘機として採用されることになりました。
その間、チャンスボートF4Uコルセアがモタモタしている間にグラマンF6Fヘルキャットにアメリカ海軍の主力艦上戦闘機の座は奪われていました。
これらを考え合わせると艦上戦闘機としては短い距離で離着陸出来ることと低い速度域でも墜落せずに飛んでいられる能力は非常に重要な項目でした。
零戦の優れた性能は空戦能力だけが特別視して語られがちですが艦上戦闘機としての基本性能もかなり優秀であり他の戦闘機が同じように真似ようとしても簡単なことではなかったようです。
高いスピードを出せる戦闘機はとかく着速が速すぎる速すぎるとよくいわれます。
その原因は高い馬力のエンジンは大半が重い。
重いエンジンを搭載したことで翼面荷重が高くなるため着速を下げると墜落し易くなる。
墜落しないようにするために着陸速度を速くせざるを得ず結果的に離着陸距離も長くなるという悪循環なのでした。
ふわりと浮かんだような画像はプレーンズオブフェイム博物館の零戦五二型です。