トータル:255HIT
広告募集中
少し脱線します。
申し訳ありません。
m(__)m
通常、空の高さも高度3000mを越えると空気が薄くなり始め、高度6500m前後を越えると自然吸気のピストンエンジンでは馬力が急激に低下し力が出なくなるそうです。
その苛酷な現象を逆手に取り、より高く更により高く高い高高度を飛べば同じ高さまで上がって来れる敵の戦闘機は居ない、高ければ高いほどに敵の高射砲の弾も当たり難くなるという発想から武装は装備していなくても敵にやられる可能性はほとんどないため低速で悠々と飛行して敵本土の偵察写真をじっくりと撮影して帰って来れるというドイツの戦略でした。
この賢い戦略をそっくり真似たのが戦後のアメリカ軍でした。
ジェット機としては速度は約800km/h(マッハ0.8)と遅いが25000mもの高高度を飛べるグライダーのような細長い主翼を持ったロッキードU-2ドラゴンレディという戦略偵察機を作り長年に渡りソ連領土内を写真撮影偵察を繰り返していました。
アメリカはソ連への領空侵犯はしていないとしらをきっていましたが、ミサイルが発達して以降SA-2ガイドラインという対空ミサイルによってアメリカのU-2が撃墜されパイロットが捕らえられるという出来事により領空侵犯の事実を認めざるを得なくなりました。
ソ連は撃墜したU-2数機の残骸を機体の形通りに赤の広場に並べ報道公開し、乗っていたパイロットを裁判にまでかけました。
その後パイロットの身柄はお互いが捕らえていたスパイ同士の交換引き渡しによりアメリカへ帰国出来ることになりました。
次にアメリカはU-2戦略偵察機の後継機として高度25929m前後の高高度で約3529km/h(マッハ3.2)もの高速度で飛行出来るチタニウムを機体に使用したロッキードSR-71ブラックバードという戦略偵察機を開発し近年まで使用し戦略偵察をしていました。
このSR-71は高性能を極めていただけに一機も撃墜されることなく退役しました。
現在では人的損害、軍用機の損害のリスクを考え戦略偵察活動は軍事偵察衛星が後を引き継いでいます。
添付画像一枚目はドイツのユンカースJu86R戦略偵察機。
二枚目上はアメリカのロッキードU-2ドラゴンレディ戦略偵察機、下はロッキードSR-71ブラックバード戦略偵察機です。