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水メタノール噴射装置に関連して第二次大戦中のヨーロッパでのドイツ軍機の話を一つ。
第二次大戦末期ともなるとドイツ軍占領地域の領空であっても夜昼問わず連合軍戦闘機が我が物顔で飛び回る状況でドイツ軍機にしてみれば単機で飛行するのは非常に危険でした。
そんな中、フォッケウルフFw190の設計者クルトタンク技師は技術会議出席のために自らが設計開発したTa152H型の試作機を操縦して飛行中にアメリカ軍の二機のノースアメリカンP51ムスタングと遭遇し襲い掛かられそうになりました。
しかしタンク技師がMW50水メタノール噴射装置を作動させるとTa152H型試作機はみるみる間にノースアメリカンP51ムスタング二機を引き離し無傷で無事帰投したという話が残されています。
この時のアメリカ軍パイロットはまたドイツが怪物のような戦闘機を作り出したのかと思い驚いたそうです。
ちなみにMW50水メタノール噴射装置使用時のTa152H型試作機の最大速度は高度12500mで765Km/hというスピードでした。