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ヘルシアさんこんにちは。
水メタノール噴射装置とはドイツではMW50と呼ばれ当時のドイツから伝えられた技術の一つで一種の出力増加装置です。
これを使うことで燃料のオクタン価を上げたような状態を作りだし燃焼室の異常燃焼を抑え出力増加をさせるためのものです。
しかし長くは使えない一時的な緊急出力増加装置でした。 -
水メタノール噴射装置のことをもう少しわかり易くいうと普通にエンジンが動いていて燃焼室で燃料と空気の混合気が爆発しているところに適量の水を噴射してやると燃焼室内の爆発の熱により水は気化して水蒸気となります。
その際に水が気化することにより熱を奪い膨張するため結果として異常燃焼の熱は奪われ膨張する力によりピストンはより強く押されこととなり異常燃焼防止と出力増加に繋がるという仕組みのものです。
メタノールを混ぜてあるのは高空では温度が下がり凍結するという現象に見舞われるためそれを防止する目的で混ぜてありました。
しかし各気筒に均一に噴射出来なければ激しい振動が誘発され効果が見込めないため栄エンジンへの搭載試験では不調が続き実用化予定は遅れに遅れました。
軍部の目論みは誤算に次ぐ誤算だったといえます。 -
まぁ、パワー増加装置だからヘルシアさんのおっしゃる通りその類いということになりますね。
第二次大戦中に航空機用ターボチャージャーを実用化出来たのは豊富な資源と技術力を兼ね備えた数少ない大国アメリカ合衆国のみだったことは皆さんご存知のことと思います。
では日本やドイツではどうであったかというと日本は同じく航空機用ターボチャージャーの開発はしていましたが資源貧乏だった日本では希少金属のニッケルなどの不足により開発のほとんどが上手く行かず終戦を迎えました。
ドイツはというと試験結果は上手く行っていましたが他の兵器類ゲルリッヒ砲などと同様に希少金属類がすぐに枯渇し数を揃えられなくなることを予測して悟り開発を中止する決断を下していました。
そして航空機用ターボチャージャーの代わりにGM-1と呼ばれる亜酸化窒素噴射装置を開発しターボチャージャーと同様の効果を得て使用していました。
亜酸化窒素とは麻酔に使われる笑気ガスです。
186番さんが私のことを若造だろうといいながらコピペばかりしているなどと愚弄しておりましたが、私はそんなに若くはなく二十歳の方々の倍以上の年齢です。
もちろんコピペの多用などしておらず己の記憶を頼りに書いたコメばかりです。
真意を読み取れない人には特に説明までするつもりは更々ありません。
蝦夷富士こと標高1898mの羊蹄山を背景に飛ぶ零式艦上戦闘機五二型(プレーンズオブフエイム博物館所有)の写真を二枚貼ります。
アメリカ海軍艦上戦闘機グラマンF6Fヘルキャットの出現に対し当初、軍の上層部は零戦五二型に水メタノール噴射装置を追加した栄エンジンを搭載した程度で十分対応可能で勝てると思い込んでいましたが、最前線で命懸けで戦っていたパイロットたちの要請に真摯に応えなかった結果は史実の通りとなったのでした。
戦争に負けた理由の根幹にあるものは己の悪い部分を認めず敵の良い部分をも愚弄したおごりの考え方でした。