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徹夜明けご苦労はん。
アクタン島で発見された零戦は、オイルラインに被弾しエンジン不調になり、着陸を試みたものの湿地帯に主脚を取られ
機体が横転し搭乗員は即死したんやな。
この零戦を調査したグラマン社の技術者達は機体の設計と製作技術が極めて洗練され、特に薄い外板を全く歪み無くフレームに張る技は、グラマン社の熟練工を上回るもので、加えて沈頭鋲による滑らかな機体表面処理に感嘆したそやな。
海軍の戦闘機パイロットからはワイルドキャットの主脚の操作は、手動による人力操作やのに零戦のそれは、油圧によりスイッチで操作できるのを羨ましく思ったそやな。
また通説では零戦の機体構造は、量産に不向きとされているけどグラマン社の技術者は、零戦の構成部材は大掛かりのプレス機械や精密な金型を用いなくとも簡単な木型等を用いて製作可能で、町工場レベルの所でも機体部材の量産が可能で人海戦術により大量生産可能な事を指摘してるのやな。
この簡単な木型により部材が作れる事によって現在でもリバースエンジニアリング工法により零戦が新造可能な訳やな。
これはガソリンに着火した場合、0.3秒以内に対策を講じる必要があり、零戦の消火装置の場合は、燃料タンクに熱感知器が装着され、炎により感知器が通電し瞬時に炭酸ガスを噴射する仕組みになってるねんな。
ワイが仕事で使ってる溶接器は、炭酸ガスで空気を遮断した中で鉄を溶かす仕掛けになっとるんやけど、作業中に洗浄に用意してるシンナーが染み込んだボロキレに飛び火して炎が上がっても溶接器のノズルから炭酸ガスを出すと瞬時に火が消えるんやな。
被弾して自動消火装置により撃墜を免れた機体は主翼一面に黒い煤が付着するので、着陸後に他の搭乗員にそれを見られて「地獄の閻魔様に通せんぼをされて良かっの。」とからかわれたんやな。