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太平洋戦争当時は何か軍の意向に合わないことをいうと貴様はお国を守っている軍人に盾突く気か!?
とくるのが当たり前の時代でした。
こんな横暴な特権をかざしていたのが日本の軍でした。
ということで当時空軍はなかった日本では特権をかざす勢力として陸軍と海軍がありました。
当然特権をかざすもの同士は自分たちの方が一番だと自負していたため陸軍と海軍は非常に仲が悪い存在でした。
それを如実に裏付ける外国での実話が残されています。
日本は当時同盟国だったドイツからダイムラーベンツDB601倒立V型12気筒液冷エンジンのライセンス生産権を買い国産化したエンジンを戦闘機用エンジンとして使っていました。
しかし国産化されたのは陸軍用は川崎製のハ-40、海軍用は熱田二一型と別々に国産化されていました。
普通に考えるとライセンス生産権を一回買って両者ともそれを参考にして国産化されたのだろうと思いがちですが、そうではなく非常に仲が悪かった陸軍と海軍はライバル心を燃やし陸軍用は陸軍が金を払い海軍用は海軍が金を払い、一つのライセンス生産権を買うのに重複して二つ分の金を払って別々に購入していたのです。
日本の陸軍と海軍は国としては同じ一国なのだから共同購入したらいいじゃないかとドイツからいわれたにもかかわらず両者とも頑として聞き入れず結局一つのライセンス生産権購入にそれぞれが金を払うというバカバカしいことを実行してしまい、ナチスドイツのヒトラー総統からは日本の陸軍と海軍は仇同士なのか?
と笑われたそうです。
現在の話であればマスコミからのバッシングの嵐に曝されるのは間違いない種類の話です。 -
発動機ではなく彗星の機体の話に話を戻すと生産関係者は大変苦労させられたということは既に書きましたがその中でも大きな実例でいうと生産だけは愛知飛行機に責任を持たされたわけですが軍からの命令を受けて以降も航空技術廠から全部の設計図は届かず長い間一部の設計図しか届いていない状況が続きました。
そして設計図が一式揃った後も空中分解などのトラブルが起きる度に航空技術廠で改設計が行われ、改設計が行われる度に改設計分の設計図がなかなか送られて来ないというにっちもさっちもいかない状況に立たされ生産の責任を持たされた関係上、生産関係者は非常に迷惑したという事実が語り継がれています。
総じていえることとして軍は国防に懸命になった愛国心はあったものの現実問題として見通しの甘い部分が数多くあったということ。
その見通しの甘さのせいで多くの者が迷惑し苦労し最悪の場合は命まで奪われたのでした。 -
権兵衛さんのいうハ-40や改良版のハ-140より熱田二一型や改良版の熱田三二型の方が順調に推移したという主な理由は陸軍と海軍の差にありました。
陸軍はオリジナルのDB601ではコンロットなどにニッケルコーティングをして作ることとあったにも関わらず希少金属であるニッケルを使うことを禁止しました。
一方陸軍よりはいろいろな物資を保有していた海軍ではニッケルを使うことを許していました。
ニッケル使用を許された海軍用エンジンはコンロットなどにニッケルコーティングを施すことが出来たため焼き付きなどのトラブルが起き難い状況にあったわけでした。
これも陸軍の見通しの甘さが原因でした。 -
ヘルシアさんこんにちは。(゚▽゚)/
戦争映画について、今であれば隔週刊 東宝・新東宝 戦争映画DVDコレクションというのが書店などで販売されていますね。
当然のことながら最新の戦争映画は含まれていませんが過去に公開されたいろいろな戦争映画のDVDが比較的安い金額で手に入ります。
通常のこの手のシリーズにありがちなシリーズ全部を揃えないと意味を成さないということもなく、これはと自分が思った作品の時だけ買っても何ら問題ありません。
ちなみに私は創刊号(創刊号だけは通常号の約半額)の連合艦隊と二号目の日本海海戦は買いました。
後は作品名を見て買う買わないを考えようと思っています。
いずれにしても普通にDVDを買うより安いです。
そして映画解説本も付属です。
こういうのもいいですよね。
艦爆彗星が掲載されている書籍類を見るか艦爆彗星と入力して検索すればそのことが良く判りますよ。
国からのバックアップを受けて知識を学び、国からのバックアップを受けて購入した設備機材を使うことが出来た海軍の機関である航空技術廠が日本で使い得る最新技術と最新設備機材を使い設計開発した新型機をさあ量産してくれといわれ後の責任を一手に背負うかたちになった民間会社とその関係者はさぞかし大変だったろうことは想像に難くありません。
国防のために最も良い新型機を作ろうとした愛国心は判りますが設計開発した機関が最後まで責任を全うして量産まで行うのであればどこからも文句は出ません。
しかし実際には国の財力に支えられ最新技術で完成させた新型機を何でも自前の費用で行わなければならない民間会社に後を引き継がせる、航空技術廠より古い設備機材しかなく劣勢であることが判りきっている民間会社に後を引き継がせるという無謀さが見えて来ます。
本当ならば海軍の機関と民間会社との大きな環境の差を考慮するのが正しい行いのはずでした。
しかし時代の風潮は物事の分別は後回しにして軍がやれといったらやれという無謀極まりない状態でした。
その証拠として戦争が終わり平和な時代となってから当時の関係者が口々に本当にあったこのような話を話し語り継いでいるわけです。
これは氷山の一角でしかありませんが官(国の役人や軍人)による民間(一般人)への横暴を示す一つの実例です。
このような実話は単にエンジンの話だけに留まらずたくさんありました。
違うと思う人は太平洋戦争関連の書籍類やネット上に記されている書き込み類を見てみられたら大変勉強になるという以上のものが必ず得られますよ。