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昔(第二次大戦後しばらくまでの間まで)は牛革、ラム革、馬革、などの本革製フライトジャケットが主流でした。
本革の入手にも限りがあるためコットン製フライトジャケットも開発されました。
その後、軽くて着やすいナイロン製フライトジャケットが開発され広まりました。
しかし、ベトナム戦争などの実戦で敵からの攻撃を受けて火災による引火が原因で死傷者が増えるということが増加したためナイロン製フライトジャケットは危ないという認識が生まれ、別の素材の開発が望まれるようになりました。
そこで努力の末に開発されたのが難燃性を持った化学繊維であるアロマティックポリアミド繊維でした。
アラミド繊維とかノーメックス繊維などと呼ばれています。
たぶんアメリカの有名な会社、世界中で日常の様々な品物や乗り物などに使われている強化プラスチックに必要不可欠な化学繊維ケブラーなどで有名なデュポン社の特許品だったと思います。
アメリカの陸軍海軍空軍で採用されている最新の官給品フライトジャケットはCWU-36/PとCWU-45/Pですが、これがアラミド繊維で作られているフライトジャケットです。
実際に実験して試してみましたが、難燃性はありますが耐火性はありません。
吸湿発散性はあまり良くなく、手入れとしての洗濯はドライクリーニングが必要です。(洗濯代金が高くつく)
フライトジャケット自体の値段は化学繊維製フライトジャケットだとはいっても安くはなく本革製フライトジャケットに匹敵するほどに高いです。
安いものでも最低4〜5万円はします。(円とドルの交換レートにより時期によって多少変動します)
そういう現実を考えると最新官給品フライトジャケットが良いのかどうかは考えものですね。 -
私の場合はもうだいぶ前の話ですが、CWU-45/Pを購入し、切れっ端を切り取り火で燃やし実験してみたことがあります。
フライトジャケットの特集書籍などで解説されていた通りアラミド繊維それ自体で燃え続けることはありません、直ぐに炭化して炭になるという結果でした。
アラミド繊維製フライトジャケット以前のナイロン製の場合は加熱されると直ぐに火が着きナイロン繊維自体で持続して燃え続け火を消すのは困難になります。
吸湿発散性は悪く、値段は高く、洗濯代も高い、火災から身を守るという意味合いからすると目的は達成されています。
しかし、これ、みんな欲しいと思いますか?
こんなフライトジャケットなら本革製フライトジャケットと同じくらいのお金を払ってまで買いたくはない。
とほとんどの人は思うでしょうね。
開発者だけは特許料で儲かってホクホク顔でしょうが、ユーザー側からすると今の最新フライトジャケットはイマイチであることを否定出来ません。 -
一万円程度で多く売られているCWU-45/PやCWU-36/Pはデザインが同じというだけでナイロン製の偽物です。
いわゆるレプリカというものです。
ナイロン製のレプリカの中にもタイタンクロス製のものと普通のナイロン製のものが存在します。
タイタンクロス製というのは素材はナイロン繊維で同じなのですが穴が空いた場合に穴の裂け目が広がり難い強い編み立て方法を使っているもので耐引き裂き性が強いフライトジャケットということになります。
コットン製の服(BDUやカーゴパンツなど)でも耐引き裂き性が強い絢目織り(HBT=ヘリンボンツイル)などといわれるものがありますが、そのような類いの違いです。
フライトジャケットを買いたいと思っている人は騙されて低品質なものを高く買わされないように気をつけて下さいね。
妙に安いものは気をつけた方がいい。
良く調べて確認してから買った方がいいです。 -
アメリカ軍はフライトジャケットなどを使用する作戦地域によって変わる使用環境を温度帯で区分けして運用しており大きく分けると・ヘビーゾーン用(極寒地域用)
・インターメディエートゾーン用(中温度地域用)
・ライトゾーン用(熱帯地域用)
に分けてあります。
代表的なものとしては
ヘビーゾーン用にはN-2やN-3があり。
インターメディエートゾーン用にはA-2やG-1やB-15やMA-1やCWU-45/Pがあり。
ライトゾーン用にはL-2やCWU-36/Pがあり。
という感じです。
今のところアメリカ軍での最新型となっているフライトジャケットCWU-36/PとCWU-45/Pの写真を貼ります。アラミド繊維製の本物はカラーが写真のようなセージグリーン一色しかありません。 -
戦車兵用のタンカースジャケットも戦闘ヘリコプターパイロット用フライトジャケットも現用最新版はノーメックス難燃繊維を使用したCVC コールドウェザージャケットというものが支給され使われています。
変更理由は戦闘機パイロット用のアラミド難燃繊維製フライトジャケットCWU-36/PやCWU-45/Pと同じく戦車や戦闘ヘリコプターに乗って任務を行う兵士たちの間でも敵弾被弾による火災によって死傷するケースが多かったためです。
このジャケットには背中の部分に普段はベルクロテープで閉じてあるホールがあり破壊された戦車や戦闘ヘリコプターの中から乗員を救出する際にそのホールに手をかけて引っ張り出すためのものです。
同じく難燃性繊維を使ったフライトジャケットではありますが、CWU-36/PやCWU-45/Pに比べると手触りはソフトでカラーはカーキ色一色で不人気なことを反映してか値段は安いものだと5千円以下というものもあります。
ニコラス・ケージ主演のアパッチという映画(世界の現用戦闘ヘリコプターの中では最強といわれるアメリカのAH-64アパッチがメインで出て来る映画)で主役のニコラス・ケージらが着ていました。
写真も貼りますね。 -
追加で添付写真を貼りますね。
・ノーメックス難燃繊維製ヘリコプターパイロット用フライトジャケット
・フレア放出中のマクダネルダグラス(現ボーイング)AH-64アパッチ
・陸上自衛隊のAH-64Dアパッチ・ロングボウ
です。
日本がAH-64Dアパッチ・ロングボウを導入したのは良かったのですが、防衛関係者たちの先見性の無さがたたり価格が高騰し調達数を増やすことも出来なくなり結局調達出来たトータル機数は13機のみに終わりました。
防衛関係者はもっともっと外国の防衛関係企業の動向なども含め世界情勢把握に努めないとダメですね。 -
日本が導入を決めたAH-64Dアパッチ・ロングボウについて…
当初は63機導入を予定していましたが、日本側がライセンス生産する中味の内容比率を増やすことにこだわりすぎたこと。
導入決定後にアメリカでは軍備削減の煽りでAH-64アパッチの生産ラインを閉じる決定をしたこと。
などなどが重なり陸上自衛隊が導入するAH-64Dアパッチ・ロングボウ1機の調達価格は最終的には216億円(航空自衛隊の現用主力戦闘機F-15Jイーグル2機分に相当する価格)にも高騰したため当然予算の承認が受けられるはずもなく13機で打ち切りてなりました。
世界広しといえども1機216億円もする戦闘ヘリコプターなんて聞いたことがない。
使われるのは日本国民の血税ですが使うことを決める防衛関係者たちが自分の懐は痛くないからなどという感覚でいるとこんなことが起きてしまう。
呆れるばかりです。 -
CWU-36/PもCWU-45/Pも本物は見た目も手触りもゴワゴワしたゴワゴワ感があります。
CVC コールドウェザージャケットの場合は見た目も手触りもソフトで柔らか感があります。
本物かどうか判断する方法は着た時に背中側の首の下部分にあたる部分の位置に貼ってあるタグを見て判断する。
現物の状態と値段を見て判断する。
日本製の服と違い外国製は服全体やポケットなどを裏返すと縫い目よりはみ出た余白の部分がおおざっぱに大きくはみ出している場合がほとんどです。
その切り取っても問題が無いはみ出し部分を切り取りこれを活用して実際に火で燃やしてみて燃え続けずに直ぐに炭化し握り潰すと直ぐに崩れるようなら本物の難燃繊維が使われているフライトジャケットであるといえます。
煙りを出しながら燃え続けるようなら偽物です。
これだけ確認出来れば偽物を買わされることはありません。
難燃繊維製フライトジャケットの場合はユーズド品はあまりお勧め出来ません。
デッドストック品という選択肢がお勧めです。
デッドストック品とは本物の新品だけど使わずに軍やメーカーで保管されていたもののことです。
デッドストック品、ユーズド品どちらも含めて今なら携帯電話で楽天市場を開いてキーワードを入力して検索すれば多数の品物が通信販売で買うことも可能です。
お目当ての品物が出て来るかどうかは入力するキーワード次第です。
探したい品物の名前をどう表現するのか次第でヒットすれば欲しい品物がたくさん表示され、よりたくさんの中から選ぶことが出来ます。 -
最近はCWU-36/PやCWU-45/Pの本物に巧妙に似せた風合いの精巧なナイロン製という偽物も結構出回っています。
本物か偽物かについてはわざと触れないで安くもない高い値段で平気で売っている場合も増えています。
そういう場合に多いのが精巧な偽物に戦闘機部隊のパッチをたくさん貼り付けた状態でより本物らしく見せかけて売っていることがあります。
値段はぼったくり価格で本物レベル以上に高く設定されていたりします。
しかし本物かどうかの確認の決定打である現物実験確認をすれば偽物は直ぐにバレます。
裏側の生地の切れ端でなくても、その切れ端の端の部分から繊維を一本取り出して燃やして試すだけでも本物と偽物では違いが判ります。
売手が本当のことを教えてくれない場合はその繊維を一本だけもらって試せば嘘は直ぐにバレます。
嘘をついて偽物を売っている場合はその前に白状してしまいますよ。
繊維一本もくれず試すことを頑なに嫌がる場合は偽物ですからそれは買わない方が良いです。 -
現用アメリカ軍のCWU-45/PやCWU-36/PのCWUというのはクロージング・ウェア・ユニットの頭文字を並べた略称でアメリカ軍内部にはこのようなパンツやシャツ、靴下や手袋、フライトジャケットや極寒地域向けのコートに至るまで様々な被服関係の装備品を全般に全ての開発を一手に行っている組織があり全ては単品開発ではなくシステムとして組み合わせて使い軍務の実行を確実化させることを常に目指しています。
したがってCWU-45/Pにも組み合わせて使うための別の物がいくつか存在しています。
例えば私が知っている限りではCWU-17/PとCWU-18/Pがあります。
CWU-17/PはCWU-45/P用の後付けボア付き防寒フードです。(これを装着することでインターメディエートゾーン用フライトジャケットからヘビーゾーン用フライトジャケットへと変わるという仕様です。)
CWU-17/Pの装着方法やCWU-45/Pへの取付を着脱式にしたい場合はボタンまたはファスナーなどを使い個人個人で工夫するようになっています。
CWU-17/Pはフードの真ん中にファスナーが付いていてこれを開閉することでN-2Bのような着こなしが出来るようにもなっています。
しかし、実際には需要が少なかったことで生産は短期間で終了したらしく、もしも売りに出ているのを発見したらそれは超レアモノということになります。
CWU-18/PはCWU-45/P用のサスペンダー付き防寒トラウザース(中綿入り防寒ズボンのこと)です。
CWU-45/Pという難燃性フライトジャケットの仕様に合わせてこれらは全て難燃繊維製の難燃仕様となっています。
それからGS/FRP2ノーメックス難燃繊維製フライヤーズ・グローブという手袋もあります。
名前は忘れましたが、難燃繊維製の目だし帽(バラクラバ)やパンツやシャツもありました。
CWU-17/PとCWU-18/Pの参考資料写真を貼っておきますね。 -
GS/FRP2ノーメックス繊維製フライヤーズ・グローブの参考資料写真も貼っておきますね。
こちらはカラーはブラック、セージグリーン、カーキなどバリエーション豊富、しかし、値段は割合高いです。
4〜6千円程度します。
難燃性はありますが、風はスースーなのでオートバイ用には不向きです。 -
昔の話ですが、難燃性が一番高い服とは一体どんなものなのかを自分なりに考えたことがありました。
本革製が一番望ましいということは判ったのですが、それ以外にはないのかといろいろ調べてみた時期もありました。
結果をいうと侍の時代から火消しの人たちがやっていた柔道着のようなコットン製のハッピを着て水を被った濡れた状態が最も耐火性が高いということらしいです。
しかし、そんな使い方で普段から服を着るというのは現実的ではありません。
でも今も消防士の人たちが使っているあれが一番とは意外ですね。
昔の人たちが昔昔からやっていた火に耐える方法です。
現在、中国大陸を占領して住んで居るのは中国共産党が支配する中華人民共和国。
したがって、このアメリカと中国の友好関係を示すパッチワークは現在でいうところの台湾との友好関係を示すものということになりますね。
アメリカ軍の官給品のフライトジャケット、陸軍(後の1947年に一部が分かれてアメリカ空軍を創設)のA-2も海軍のG-1ももう既に昔の官給品となっていますが、今現在の官給品であるCWU-36/PやCWU-45/PよりA-2やG-1の方が良いとして今も尚愛用しているパイロットたちも多いようですね。
特に海軍のG-1の方は特に多いような。
こういう革ジャンからB-15などのコットン製フライトジャケットからL-2やMA-1などのナイロン製フライトジャケット、CWU-36/PやCWU-45/Pのようなアラミド繊維製フライトジャケットまでたくさんありますが、やはり昔ながらの革ジャンが人気があるのも頷ける話ですね。
素材は時代とともに変わって来ましたが、進化したとはいえ、今だに革ジャン人気が衰えない理由は能力的に本革を完全に超える人工的素材を造り出せていないからだと思います。
風合い、防寒性、耐火性、難燃性、耐引き裂き性、耐摩耗性、耐水性、防水性、吸湿発散性、などなど何かの項目は本革の能力を超えていても同時に別の何かの項目は本革には遠く及ばないという現実が装備類が進化した現在でも今だにあるからでしょうね。
いくら新素材が開発されて装備品が進化した現在であっても人類は総合能力で本革を超えるものを今だに造り出せていない証拠でしょうね。
日本の素材メーカー、帝人や旭化成や東レなどは凄い能力があるのでそんなものどうにかなりそうにも感じますが、現実にはそう簡単にはいかないのでしょうね。
蛇足ですが、いろいろな官給品に使用されているいろいろな会社製のファスナーですが、日本のYKK製のものが一番、世界一です。
逆に同じような姿をしていても中国製、韓国製は世界でも最低レベルに粗悪品です。
実際に使い比べてからの感想です。